いきなりOpenFOAM (41)

ウォータースライダーの流れ解析(その2)

面分割とXSimでのメッシュ設定

 ウォータースライダーの流れ解析、2回目の今回は、モデルを面に分割し、XSimでのメッシュ設定とOpenFOAM用ファイルの設定を行い、OpenFOAMで水流を解析してみます。
 前回作成したモデルを面要素に分割し、境界条件にあわせて名称を変更します。図1の黄色の面はAtmosphre、青い面はinlet、赤い面はoutletで、その他の面はwallsとします。それぞれの面を選択して、STLファイルを出力します。

図1 面要素に分割

 続いて、XSimを起動し、出力したSTLファイルをインポートします。図2に示すように、拡大縮小率を指定した値とし、0.1を入力、「適用」でモデルを1/10にスケール変更します(STLファイルのサイズ対策で、FreeCADでモデルを1/100に縮小してあるため)。続いて、図3に示すように、目標ベースメッシュ数を500000とし、計算領域をウォータースライダーのモデル内の任意の座標に変更します。

図2 XSimでの形状インポートとスケール変更
図3 メッシュ設定

 XSimではメッシュ分割の設定のみのため、このまま、エクスポートをクリックして、ファイルを出力します。出力されたファイルを任意の箇所で展開し、端末を開いて、「./Allrun –m」とすると、メッシュ分割が行われます。constantフォルダ内のpolyMeshフォルダを取り出し、残りのファイルは削除します。取り出したpolyMeshフォルダは、自由表面解析用のファイル一式のconstantフォルダ内にペーストします。

境界条件の設定

 続いて、境界条件の設定を行います。
 0フォルダ内のUファイルをエディタで開き、図4に示すように、inletのvolumetoricFlowRateを1にします。(inletから1m3/sで水がモデル内に流入)

図4 0/Uファイルの設定

 次に、解析設定を行います。Systemフォルダ内のcontrolDictファイルを図5のように設定します。時間刻みや解析終了時間は、適当な値を設定し、解析を行ってみて、クーラン数や解析結果で得られる水面形状を見て、修正すると簡単・確実です。詳しくは、いきなりOpenFOAM第36回を参照してください。

図5 controlDictファイルの設定
計算実行とParaViewによる可視化

 端末で、interFoamと入力すると、計算が始まります。
 計算完了後、paraFoamと入力し、alphaが0.5の等値面を表示させると、水面の形状が求まります。図6は注水から60秒後の水面形状です。図を見ると、遠心力により水面が傾きながら、水が流れることがわかります。水面の表示方法については、いきなりOpenFOAM第34回を参照してください。

図6 60秒後の水面

 前回および今回の2回に分けてウォータースライダーの流れ解析を行いました。次回は、ボトルへの注水をOpenFOAMで解析してみます。

 このページでは、各アプリケーションの操作説明は省略しています。FreeCADの具体的な操作については、いきなりOpenFOAM第5回および第7回、OpenFOAMでの計算実行は第8回、ParaViewの操作については第3回第4回および第8回を参考にしてみてください。

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