いきなりOpenFOAM (1)

はじめに&OpenFOAMのインストール

はじめに

 オープンソースの熱流体解析ソフトウェア「OpenFOAM」。オープンソースということで、インターネット経由でプログラムをダウンロードすればタダで熱流体解析ができることから、チャレンジした方も多いと思います。 一方で、インストールはでき、例題は計算できるようになったものの、その先オリジナルの計算をどうやったらいいか分からない、うまく動かないなど、挫折してしまうことも少なくありません。
 そこで、はじめてOpenFOAMを使用する初心者を対象に、本来必要な流体知識や理論、条件設定の解説やノウハウなどは後回しにして、とにかく計算ができるようになるということに特化し、解析対象も流れだけに絞って、その方法をいくつかの例題を使って説明するコンテンツを連載することにしました。
 なお、内容の難易度としては、市販熱流体解析ソフトウェアのオペレーション経験がある方には比較的容易で、まったく熱流体解析の経験がない方には専門用語などが少し難しく感じるかもしれません。

本連載で使っているバージョン

 この連載で使用しているバージョンは下記のとおりです。
・Linux:Ubuntu 18.04 LTS
・OpenFOAM:OpenFOAM V7 (OpenFOAM財団版)
※UbuntuおよびOpenFOAMは他バージョンでも動作する場合があります。
 (Ubuntu 20.04 LTSおよびESI版OpenFOAM v1912での動作確認済み)

Linux (Ubuntu) のインストール

 さて、タイトル通り、いきなりOpenFOAMの計算を始めたいところですが、その前にOpenFOAMを使う環境を整える必要があります。 OpenFOAMはいくつかのOSをサポートしていますが、一般的かつ動作実績が多いのはLinux(Ubuntu含む)になります。 Linuxにもいくつか種類がありますが、この連載ではUbuntu(ウブントゥと呼びます)というものを使います。
 Ubuntu環境をどう作るかですが、下記のような選択肢があります。
 ①コンピュータに直接UbuntuをインストールしLinux機にする
 ②WindowsまたはMacOS上で動作するUbuntuをインストールする
 ③Windowsなどに仮想環境を構築し、その上にUbuntuをインストールする

OpenFOAM使用環境のイメージ

 Linuxのインストール手順については割愛しますが、①、②それぞれ下記のURLを参考にしてみてください。
 ①コンピュータに直接UbuntuをインストールしLinux機にする
   https://linuxfan.info/ubuntu-18-04-install-guide
 ②Windows上で動作するUbuntuをインストールする
   https://www.softflow.jp/tech-forum/openfoam-on-windows10/

 Ubuntu公式サイト https://www.ubuntulinux.jp/

 Ubuntuを直接インストールした場合、ファイアウォール設定がされていませんので、下記の方法で設定します。
 右側の虫眼鏡アイコンをクリックすると、検索窓が開きます。 gufwと入力すると、ファイアウォールソフトが表示されますので、インストールします。

検索窓からgufwを検索した状態

インストール後、起動し、図2のようにStatusをオンにすると、ファイアウォールが設定されます。

ファイアウォール設定

 その他Ubuntuのインストール方法は、以下で説明するOpenFOAMのインストールサイトでも説明されています。
 なお、③については②の方法が使えるようになる以前の方法(もちろん今でも使えます)で、構築が煩雑なので説明は割愛します。

OpenFOAMのインストール

 OpenFOAMにはOpenFOAM財団版(以下、財団版)とOpenCFD版(以下、ESI版)の2種類があります。 ここでは、財団版OpenFOAM V7のインストール方法を紹介します。 インストールは基本的に公式サイトに記載されている方法(コマンド)をUbuntu上で実行してゆく作業になります。

 ターミナル(Ubuntuのコマンドが入力できるウィンドウ)を起動し、インストール用のコマンドを一行ずつ入れます。打ち間違いを防ぐことと、コマンドが変更された場合に対処できるように、公式サイトのダウンロードページからコマンドをコピーペーストすることをお勧めします。
  財団版OpenFOAM v7 公式サイト https://openfoam.org/download/7-ubuntu/
上記サイトのInstallation項目、グレーの欄がインストール用のコマンドです。

sudo sh -c "wget -O - https://dl.openfoam.org/gpg.key | apt-key add -"
sudo add-apt-repository http://dl.openfoam.org/ubuntu

最初の2行でインストールデータの箇所を登録します。 Ubuntuでは公式のアプリはapt install [アプリ名] だけでインストールできますが、OpenFOAMは公式なアプリではないため、インストールデータの箇所(レポジトリと呼んでいます)を指定する作業になります。 sudoは、ルートにアクセスする際のコマンドで、Ubuntsuセットアップ時に指定したパスワードの入力が求められます。

sudo apt-get updat

Ubuntuを最新の状態にアップデートします。

sudo apt-get -y install openfoam7

OpenFOAMをインストールします。

公式サイト中段のInstallation Problemsは、問題が起きた際の対処方法です。 なお、ウィルス対策ソフト(例えばSophosAntiVirusなど)が動作していると、インストールを強制的に遮断する場合があるので、その場合はOpenFOAMをインストールする際に、ウィルス対策ソフトを停止させるか、OpenFOAMをインストール後にウィルス対策ソフトをインストールするようにしてください。

 インストールが完了したら、User Configurationに従って、.bashrcを書き換えます。 bashrcは、ターミナル起動時に実行する内容を記載したファイルです。 このファイルに、書き加えておかないと、OpenFOAM用のコマンドを入力しても、Ubuntuが認識できずにエラーとなります。
 下記のコマンドでエディタを起動し、.bashrcを開きます。geditはUbuntu標準のテキストエディタです。

gedit ~/.bashrc

 エディタのカーソルを最終行まで移動し、エンターキーを押して、一行追加して、下記をコピーペーストして付け加えます。
 source /opt/openfoam7/etc/bashrc
上書き保存して、エディタを終了して完了です。

 公式サイトでは、インストール後の動作確認を実際に計算して確認していますが、簡単に確認する方法として、ターミナルで下記のコマンドを入力して、エンターキーを押すと、simpleFoam(OpenFOAMのソルバーの1つ)の使い方が英文で表示されます。 エラーなどの表示がなければ、正常にインストールできたことになります。

simpleFoam -help


 ESI版も基本的には公式サイトに記載されているコマンドをUbuntu上で順番に実行してゆく方法になります。
 ESI版OpenFOAM公式サイト https://www.openfoam.com/

次回からいよいよOpenFOAMを使い始めます。

おことわり
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 本コンテンツは動作および結果の保証をするものではありません。ご利用に際してはご自身の判断でお使いいただきますよう、お願いいたします。