surfaceInertia コマンド

 surfaceInertiaコマンドは、形状の慣性を計算するユーティリティです。

例として、flange.stlの慣性を計算してみます。
以下のコマンドを実行することで計算を行うことができます。

  $ surfaceInertia -density 7874 flange.stl 

実行すると、下記のような情報が出力されます。

Density: 7874
Mass: 0.12301631821
Centre of mass: (-9.68660975197e-09 -0.00224989547916 -0.00951025655897)
Surface area: 0.00730291916055
Inertia tensor around centre of mass:
(1.52234617594e-05 -1.21151036218e-11 -2.15551687165e-12 -1.21151036218e-11
1.79215419822e-05 1.70281807247e-08 -2.15551687165e-12 1.70281807247e-08
2.35511888564e-05)
eigenValues (principal moments): (1.52234617594e-05 1.7921490477e-05
2.35512403616e-05)
eigenVectors (principal axes):
(0.99999999999 4.48869247846e-06 2.49657869509e-07)
(-4.48791680731e-06 0.999995425599 -0.00302469185612)
(-2.63233639058e-07 0.00302469185497 0.999995425609)
Transform tensor from reference state (orientation):
(0.99999999999 -4.48791680731e-06 -2.63233639058e-07 4.48869247846e-06
0.999995425599 0.00302469185497 2.49657869509e-07 -0.00302469185612
0.999995425609)
Rotation tensor required to transform from the body reference frame to the global
reference frame, i.e.:
globalVector = orientation & bodyLocalVector

Entries for sixDoFRigidBodyDisplacement boundary condition:
  mass        0.12301631821;
  centreOfMass    (-9.68660975197e-09 -0.00224989547916 -0.00951025655897);
  momentOfInertia  (1.52234617594e-05 1.7921490477e-05 2.35512403616e-05);
  orientation      (0.99999999999 -4.48791680731e-06 -2.63233639058e-07
4.48869247846e-06 0.999995425599 0.00302469185497 2.49657869509e-07
-0.00302469185612 0.999995425609);

Writing scaled principal axes at centre of mass of “flange.stl” to “axes.obj”

End

表示情報から、質量、重心、重心周りの慣性テンソル、固有値、固有ベクトルなどを知ることができます。

コマンドラインオプション

 surfaceInertiaコマンドを実行するには、1つの引数が必要となります。
引数で計算したい形状ファイルを指定します。

 $ surfaceInertia <surfaceFile> 

オプションとしては、以下があります。

-case <dir>:ケースディレクトリを指定します。デフォルトでは現在いるディレクトリです。
-density <scalar>:立体の密度をkg/m3で指定します。薄肉の場合はkg/m2で指定します。
-noFunctionObjects:functionObjects を実行しないようにします。
-referencePoint<vector>:指定した点周りの慣性を計算します。デフォルトでは重心周りを計算します。
-shellProperties:薄肉構造の慣性について計算を行います。
-srcDoc:ブラウザを用いてソースコードを表示します。
-doc:ブラウザを用いてドキュメントを表示します。
-help:ヘルプを表示します。

※このオプションはOpenFOAM V1612で動作を確認しています。お使いのバージョンによりましては、本ユーティリティならびにオプションが使えない場合がございます。